May 25, 2006
「アンジェラ」82点。
リュック・ベッソンの映画って、時間とか音とかと人物の感情がうまく合致して面白い、っていう印象がある。
この映画もそんな良い映画。
モノクロームのパリで、救いようがない男が一人。嘘つきで、臆病で、でたらめばかりが口から出てくる。見た目もイマイチ。何がメインで生きてるのか分かんないような男。
映画の序盤は、その男の愚行やびびってる横顔ばかり見せられるから、久しぶりに映画館で退屈な気分になった。出て行こうまでは思わなかったけど「ベッソン・・・?観客置いてけぼり?」と心の中で思った。
映画見終わった今であれば、その「退屈な時間」は感動への前置きとして考えられるけど、見ているときは辛いものがあった。
ヨーロッパの映画にありがちな観客を置いていくような表現を久しぶりに見て、ちょっと懐かしかった。そういえばベッソンはハリウッドに進出したとはいえフランス人監督で「アンジェラ」はフランス映画。そう思えば納得の表現。
↓パリのお洒落なモノ

人の心は、なかなか変わることが出来ない。
主人公アンドレは、頑なな独りよがりの自信で自分の本当の心を守っている。それが悪いわけではなく、そういう気持ちでなければ生きていけなかったのだろう。そんな心を、緩急つけて愛をもって溶かすアンジェラ。完璧な容姿から鮮やかに放たれる自信たっぷりの言動と、心の素直さ。
この映画はそんな二人の対話がすごくいい。
俺が一番気に入ったシーンはアンジェラが橋の上でアンドレに「素晴らしいパリ!もっと楽しまなきゃ!」という意味のことを話すところ。このシーンで二人の距離がグッと縮まったし、ガラリといろんなことが展開。
さすがはベッソン!と唸った。
リー・ラスムッセン演じるアンジェラは、映画が展開する中でどんどん魅力的な女性に見えてくる。感情が波打つ幅が大きくなって、感情があふれ出てくる。それは今までの作品と共通している。
ベッソンは女性の美しさを撮らせたら、右に出るものはいないかもしれない。
アンドレ役のジャメル・ドゥブーズ。すごい。このテンポを自由に変化させる存在感には脱帽。クライマックスの部屋での落ち着き払った場面の素晴らしさは鮮烈。
出会いで人の心が変わるということはめったにないけど、この映画はそのめったにない素晴らしいことをしっかりと映画にしている。ベッソンはきっとそういう経験があるのだろう。
たった48時間で心が変わるダイナミックさが、美しいモノクロの場面と共に心に残る良い映画。
82点(100点満点中)
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この記事へのコメント
弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。
こちらからもコメント&トラックバックのお返しを失礼致します。
この作品は、物語展開や作風から多くの人に受け入れられない印象はありますが、僕は、リー・ラスムッセンさんとジャメル・ドゥブーズさんの的確な演技とリュック・ベッソン氏の作り出した映画の独特の繊細な雰囲気との一体感が素晴らしく、一見シンプルながら、奥の深い映画に仕上られていると思いました。
また遊びに来させて頂きます。
改めまして、今後共よろしくお願い致します。
ではまた。
どーも☆こんばんわー。
良かったですよ!モノクロ映画なのにすごく深い映画です。あんまりネタばれしないと思います 笑
>素晴らしい言葉使いやと思います
おほめいただいて、ありがとうございます!
ベッソン、かなりこの映画作りたかったんだなーって感じです。気合いがちょっと空回りしてそうな表現。
でも、そういうのは全部悪いわけじゃなくて全体でみたら納得するものが多いのですよ┌|∵|┘
いやいやいや、いやぁ、もの凄く力強くて、素晴らしいレヴューをありがとうございます。実は、私も観て、恐らくほぼ同じような気持ちになったのですが、どう表現しうたものかと思ってるうちに、サラっと流し気味のレヴューになってしまったので・・・。あまりにも的確に代弁して頂いたようで目から鱗気味です。ホントに沢山ご覧になってるんですね。
感動してしまったので勝手にリンクさせて頂いちゃいました。
ご迷惑でしたらお知らせ下さい。
上のコメント、「ナイロビ〜」の方に書かせていただいたつもりだったのですが・・・・、失礼しました。
でも実はアンジェラも一緒に観ました。僕の場合、アンジェラも相当ハマリでした。
はじめまして!コメントありがとうございます☆
レビューを褒めていただいて感激です!この映画は途中から感情移入してしまったので、レビューには思わず力が入ってしまいました 笑
社会派のシリアスな内容なのに編集や演出が斬新で、俺にとっては超ストライクでした┌|∵|┘
リンクありがとうございます!こちらからもリンクはらせていただきます!(:D)┼─┤
つたないブログに、TBをしていただき、どーもです!
dkさんの「アンジェラ」のレビューを読んで、
そーゆー見方もあるんだなぁ と納得です。。。
ズバリ核心を突いてますね〜
かなりの映画通のようで恐縮してしまいますが。
また覗きにきます。
今後ともヨロシクお願いします。
はじめまして!コメントありがとうございます┌|∵|┘
「アンジェラ」はかなり期待していたので、見る前から気負いがありました。
やっぱ、リュック・ベッソンは大好きな監督で、その新作!ということでかなり期待もしてました。。。
>ズバリ核心を突いてますね〜
まじっすか!ありがとうございます☆めちゃ嬉しいです。。。
映画通ってことはないです(^^;;
数は見てるけど、知識はまだまだです。
こちらこそよろしくお願いします(~o~)
>「素晴らしいパリ!もっと楽しまなきゃ!」
ステキな場面でしたよね。すごく幸せそうな清清しいアンジェラの表情!もっと前向きに生きようって思わせてくれる人だと思いました。
リー・ラスムッセン魅力的な女性です★★
おう!見てこられましたか(~o~)
あのシーン、すごくいいですよね!
あんな前向きなことを高らかに謳う映画のシーンはみたことないかも☆
やっぱリュック・ベッソンは素晴らしいですYO┌|∵|┘
>リー・ラスムッセン魅力的な女性です★★
同感です!映画監督もしてるみたいで。それも見たいです☆
まったく正反対の評価なんですが、TBさせていただいちゃいました。愛するからこそ酷評(苦笑)でも、ご不快な思いをされるようでしたら、削除してくださいませ。
はじめまして☆コメント、tbありがとうございます(:D)┼─┤
この映画はいろいろ凝っている部分が多いだけに、一つでもリズムを外すと人によって評価に格差がでるみたいです。
俺は運良く序盤でリズムに乗れた感じです┌|∵|┘



