December 18, 2006
「誰も知らない」90点。
この映画は、そんなゆっくりと、でも確実に変わりつつあるとある家庭の物語。静かで緩やかだけど、その向こうに切実な辛く、でも不可欠なメッセージがこめられている。
些細な変化をすくい、しかもそれが全然わざとらしくない。画面に映っている子供たちが、例外なく生き生きしている。カメラの存在や、映画の中であることを微塵も感じさせないようなシーンが多い。
それは演出家と役者が完璧な仕事をしている証拠だ。
無責任な母親に、抵抗できない子供たち。悲しくも健気に生きていく子供たち。愛しい子供たちを、何故にこんな辛いことが襲ってしまうのか。
それはまったく特別なことではない。メディアに出ていないだけで、この映画にあるような悲劇は日々進んでいる。そう思うと、いかに日本社会が無力で無関心で、日本の政治家は何をしているんだと憤ってしまう。
子供は宝だ。それは世界の絶対原則。
けがれの無い心の持ち主たちを、社会全体で包んでいつもいつも彼らが笑って過ごしていけるようにするのは、俺たち大人の責務だ。
Story
是枝裕和監督最新作、柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した話題作。都内のアパートへ越して来た母親と4人の兄妹たち。貧しくも楽しい生活が始まるはずだった。しかしそんなある日、母親は短いメモとお(詳細こちら)
映画を観て久しぶりにこんな神妙な気持ちになった。それもこれも、この映画が完璧なまでの演出や子供たちの演技なのに、全然嫌味が無く人間らしい表現体として存在しているからだと思う。
いい映画は、作品によっては完璧すぎて観ているうちに息が詰まる思いをすることがあるが、この映画はまったくそんなことが無く、ラフな気持ちで見続けられていける。
この映画で柳楽優弥が賞を獲ったのもうなずける。
この映画は、ラフな気持ちで見れる、日本社会に属する者にとって必要な作品だ。
90点(100点満点中)
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この記事へのコメント
この映画はジワジワ辛さがきますよね。
現代は便利になった反面、人の心がどこかにいってしまっているところがあります。大人は永遠に子供を包み込む存在だと、改めて感じました。





