December 27, 2006
「隠し砦の三悪人」95点。
しかし、高い評価を受けているという情報についてもっと素直に聞き入れないと、いつまでも井の中の蛙のように狭い了見で進んでしまう。いい映画が見たい、という純粋な思いがあるのなら天の邪鬼を超越して、素直にならなくてはいけない。
黒澤映画は、ずっしり重く食べ応えがある懐石料理のようなイメージがある。だから、日頃、ぱくぱくと食べるような軽い代物ではないし、いざ見るのであれば襟を正して見たいのが黒澤映画でもある。
「隠し砦の三悪人」は、いつもの黒澤映画のようにモノクロでいかにも礼儀正しい風体だけど、いざ映画が始まると躍動するキャラクターがいる。舌を巻くような演出、そして何よりもスピード感がある。
そして、三船敏郎の快活な洗練された侍大将の辣腕振りと、ズッコケ百姓のコントラストが鮮やかで、心から笑えるような楽しい雰囲気と、身も凍るような怒号がでる、とても豊かなチームを成している。
もっとも重要なのは姫。可憐で男気があって大器。まさに男であれば一国の主になれるような人格者の姫の美しさと、内面から出てくる生きることへの激しさと真面目さがこの映画に確かな背筋を作っているような気がした。
全体的に、全く滞ることがない展開。さらには予想できない展開で観客はその壮大なアドベンチャーに一喜一憂し、最後には生きることの素晴らしさを感じ、大きく心が動いてしまう。
年末の忙しさの中、この映画はすごく素直に心に入ってきた。心が洗われたという事を久しぶりに経験したと思う。
この映画、最高。
95点(100点満点中)

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