May 09, 2007
「カポーティ」89点。
Story
『M:i:III』のフィリップ・シーモア・ホフマンが天才作家、T・カポーティに扮し、傑作小説「冷血」誕生の陰に隠された真実を描いた衝撃作。59年、カンザスで一家惨殺事件が発生。カポーティは死刑判決を受けた被告人(詳細こちら)
本当に恐ろしいものが、我の心にある。
殺人者を何故追いかけるのか?
善悪を超えているのか無視しているのか定かではないし、そんなことはここでは重要ではない。カポーティは殺人者ペリーに惹かれる。おぞましい事件の犯人。むごい惨状の事件にカポーティは何を感じ、何を見たのか。彼は小説を書くと決める。
まるでそれは自分の中の不可解な感情をどのように理解し言葉に転じればいいのか。その孤独で過酷で苛烈な作業を自分の運命だとして受け入れる、文学者としての責務のような気がする。
ほとんどの人間は「正常に異常」だと思う。自分が少し異常だと正確に捉えているから自分を抑制できる。社会にあわせた自分を作っているといってもいいかもしれない。
カポーティはペリーの中に自分にも通じる「異常」さを見たのじゃないだろうか。その異常さのルーツは、それぞれの愛に飢えた生い立ちにある。
カポーティはペリーに出会い、もう一人の自分を知ろうとしたのかもしれない。誰もいない成長期、孤独を跳ね返すためにモノを書くことだったのがカポーティ。孤独という闇にかぶさってしまい、殺人という奈落の底に通じる階段を下りてしまったのがペリー。
この映画は、繊細な空気感を持ちながら人間のとても深いところにある「弱さ」にたどり着いている。
それを感じさせるのはフィリップ・シーモア・ホフマンの名演と繊細な演出。鬼気迫るとはまさにフィリップ・シーモア・ホフマンのことだな。穏やかな風貌に鬼のような怖さを隠し持っている。そして、その模様を捉えて離さない演出。
素晴らしい。
人の怖さに大きく触れながら、最終的に人の心を描ききった素晴らしい作品。すごい。
89点(100点満点中)
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この記事へのコメント
珍しく映画館にみにいった。もう一度、DVDでみようかな。映像の感覚もいいですよね。
コメントありがとうございます(:D)┼─┤☆
>映像の感覚もいいですよね。
そうなんですよ。澄んだ感じというか、白い感じというか。曇っていなくて、白く人間の表情とか感情が繊細に伝わってきますよね。
>カポーティはペリーに出会い、もう一人の自分を知ろうとしたのかもしれない。
犯人との面会の中から彼との共通点を見つけ、もう一人の自分を知ろうとする。どんな自分か隠れているのかっていうのを知るってことは、結構怖い事かもしれませんね。
ホフマンの演技派本当に素晴らしかったです!!
どもです♪
そうなんですよ。この映画は、本当に二人の心の中の闇を描ききっている感じがします。
こういう繊細な作品は、心が洗われるので好きです┌|∵|┘
ホフマン、すんごいですね☆




