February 11, 2008
骨太。極上和製ポリティカルサスペンス。『犯人に告ぐ』。
今の日本映画。純愛も、昭和を懐かしむのも、ハートウォーミングなお涙頂戴も否定するわけじゃないが、どこか現実逃避の彼方にあるようでガツンと来ない。今の日本は、社会的問題が溢れかえっている。そんな実情だからこそ、映画に癒しを求めるという方程式も分かる。でも、現実の中の厳しさを受け止めて、弁慶のように立ち向かう日本人の映画もあっていんじゃないか。そういう熱い姿を久しく見ていない気がするのは気のせいだろうか…。
この映画は、極端に弁慶的(もちろん造語)というわけではないが、誇り高き警察官が凶悪事件に立ち向かう姿は確実に命の熱さを感じさせる。そんな気概、映画の中で感じたのは久しぶりのことだ。
連続児童殺人事件の捜査に失敗し、田舎の警察署に左遷された巻島。その失敗は6年だってもまだ心の中で重く響いている。そんな時、マスコミで話題になり、遅々として捜査が進んでいなかった新たな児童連続殺人事件の特別捜査官として、巻島に白羽の矢が立った…。

まるで詰め将棋のような苛立ちとともに、悪しき殺人事件を淡々に眺め、そんな中に巻島の怒りを抑えた根性の捜査がボディブローのように犯人を追い詰めていく。暗いトーンでスクリーンを支配し、そして凶悪事件の醜さや果てしない悲しみと堂々と対峙する巻島を、寡黙で粗野な存在感で輪郭をはっきりと描き、ずしりとくる感覚を感じさせる作品に仕上がっている。
県警組織の中での動きにくさを鬼の形相と怒号で跳ね返し、捨て身で事件解決を欲する姿は、究極の「男らしさ」を感じてしまう。圧巻の姿。
豊川悦司は、本当にすごい俳優だ。全く隙がない。見せ場のテレビ番組で犯人話しかけるシーンは鳥肌モノ。そんな感覚本当に久しぶりだと思う。
いい俳優というのは、台詞じゃなくて存在感で映画を支配する。そしてその「支配」の仕方に俳優の力量が出てくる。この豊川悦司や、竹内結子、香川照之なんかは、出る映画出る映画それぞれに巧みに「味わい」を変え、映画が持つ純粋なメッセージを最も効率よく体現し、観客を誘う。そういう俳優は日本では数えるほどしかない。
豊川悦司は、もうそのレベルの俳優だと思うね。
この記事のタイトルに「和製」とあるのは意味がある。
日本の組織内での動き方、ていたらくなマスコミの有様、そして昨今蔓延する凶悪事件の真髄を描いているという意味を込めて「和製」としている。決して、外国ではなく日本で成立する素晴らしさがこの映画にはある。
どうもWOWOWは、他の民放とは違っているようだ。映画を作る前にそろばんをはじくのではなく、純粋にいい映画を作ろうとしているように感じたねー。
この映画、ほんとおもしろいですよ。
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この記事へのコメント
映画館で予告を見た時すごく気になったのを思い出しました。これってWOWOWの映画だったんですね、しかも第一弾。
俄然見たくなってきました!
でも東京ではもう終わっていました。
遅かった・・・・ショック。
ジャージーっぽい、フロリダのオンナ、まるでカルフォルニア・・・
大阪っぽい、東北のオンナ、まるで横浜・・そんなんでもいいからw
弁慶的、良い言葉です。進まなくても良い、耐えれば、みたいなね。
どもども。お久しぶりですw
そうなんですよ、WOWOW製作なんですよー。なんか劇場公開前にWOWOWで一回放送したみたいですね。
>遅かった・・・・ショック。
実は俺がいった劇場が全国で最後の公開のようです。。。俺はギリギリ間に合っちゃいました(^^;
>寂しがり狼さん
どーもですw
地域性というか、ローカルなおもしろさってありますよね。映画はそういう部分をおもしろく見せることができるエンターテイメントだと思います。
>弁慶的、良い言葉です。進まなくても良い、耐えれば、みたいなね。
まさに!それですよ。グッと堪えるというような。。。ありがとうございます。造語してよかったっす(・o・)!
お久々!
これ、WOWOW製作なんすか〜。
うう〜ん、
知らなかった!
けど、
豊悦は好きっすよ♪
どーもです☆そうなんですよ、wowow製作なんですよー。
豊悦大活躍なんで、是非見てみてくださいな(・o・)



